子どもの頃、母親に駄菓子屋で買うのを禁止されていたものが、いくつかあります。
そのうちのひとつが、あるジュースです。
それは瓶でも缶でもない、ポッキンアイスと同じようなビニール素材に入っていて
ポッキンアイスよりもずっと太く、折るためのくびれはありません。
大きさは制汗剤のスプレーの中サイズくらいはありました。
味はオレンジ風の、人工甘味料、着色料がガッツリ入ったものです。
母がそれを禁止したのは、そのジュースの飲み方が、付属の細いストローを
胴体に突き刺す、というものだったからです。
ストローは直径3mmほどの太さで、竹やりのように先が斜めに削ってあり
素材も折れ曲がらないような硬いもの。
ジュースの容器もちょっと厚みがあり、子どものチカラではなかなか刺さりにくい素材。
気を付けないと怪我をしやすい、というのが母の持論でした。
でも実際には友達がそのジュースを買ったら、付き合いで私も買っていました。
とくにストローが手に刺さるような事故は起こりませんでしたが
ジュースをぎゅっと握って押さえるため、握力で中身が噴き出して
服にかかることは度々あって、親にジュースを買ったのがバレないかと
冷や冷やしたのを覚えています。
それでは母がどんな飲み物を推奨していたかというと…
水です。
ミネラルウォーターでもなければ、湯冷ましでもなく、ストレートの水道水。
ただ地元の水道水は木曽川水系で、結構美味しいというか
抵抗なく飲める水ではあります。
私が小学3~4年生の頃は、ただの水道水をそのまま冷蔵庫で保存する家は
けっこう普通にありました。
もっともそういうお宅では、冷やした水でカルピスを割ったり
春日井シトロンソーダというメロンソーダの素で、ソーダを作ったりするのですが…
うちはそのままか、たまに砂糖水。
さすがに子供心にもテンションが上がりません。
結局、駄菓子屋には通ってしまうし、付き合いに乗じて禁止品にも
手を出してしまうのでした。
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